屋根や外壁はいつか必ず塗替えなければいけない時期がやってきます。
よく10年ごとに塗替えしましょうと言われていますが、時期だけでなく建物の劣化のサインを知っておけば、劣化が軽度なうちにメンテナンスを済ませることができます。
大変な工事になってしまわないように、建物の7つの劣化サインを覚えておきましょう。
チョーキング
危険度:★☆☆☆☆
外壁の表面を触って手に白い粉が付く現象をチョーキングといいます。最もわかりやすい劣化サインの一つです。
この劣化の原因を簡単に説明すると、外壁に塗られている塗料が紫外線を浴び続けると塗料の成分が分離して塗料に含まれる白色の顔料が外壁に付着してしまう現象のことです。
外壁を守る塗料の効果を耐候性と呼びますが、この耐候性は10年を目安に急速に失われていきます。
そのためチョーキングが起こったからと言って今すぐにどうこうなる問題ではないのですが、耐候性が失われているため、早めの塗替えが必要になってきます。
※顔料とは塗料の色の元になっている成分の一つです。
色褪せ
危険度:★☆☆☆☆
新築してから年数が経つと当時に比べ色褪せていきます。紫外線等の外的要因が原因です。
外観が古く見えてしまうだけでなく塗膜の効果の一つである防水性も低下しているサインになります。チョーキングと同じ様に色褪せも耐候性が失われている状態なので早めの塗替えが必要です。
カビ・苔
危険度:★☆☆☆☆
外壁が黒ずんでいる場合はカビが原因の可能性大です。また緑がかっている所はコケが繁殖している状態です。コケは外壁の北側や風通しの悪いところに多く見られます。
この状態は塗料に備わっているコケやカビを防ぐ機能が失われている証拠でもあり美観も損なわれていますので塗替えのおすすめ時期になります。
鉄部のサビ
危険度:★★☆☆☆
建物の鉄部に錆が出ている状態は表面を保護する塗膜にひびが入っていたり剥がれたりして、水が浸入したり酸素に触れている可能性が非常に高いといえます。戸建の住宅にも、玄関ドア・窓の格子・門扉・換気フード・バルコニーの手すり・樋を固定する金具等たくさんのところで使われています。
鉄部が錆びてくると錆びはどんどん広がって周りの鉄部にも拡がり、錆びの膨れが大きくなり部材に穴が空いて耐久性を落としてしまいます。
鉄部のサビを放置したままだと例えばバルコニーの手すりに人が体重をかけた時に破損して重大な事故やけがに繋がってしまったり、金属系の外壁材や屋根材であれば躯体の劣化や雨漏りのリスクが大幅に上がってしまうので、早めの補修や塗替えが重要です。
外壁のひび割れ
危険度:★★★☆☆
外壁の劣化が進むとひび割れが発生するようになり、このひび割れは「クラック」とも呼ばれます。
自宅で補修が必要なひび割れはどれくらいありますか?と聞かれて答えられる人は少ないのではないでしょうか。
ひび割れにも種類があり、ひび割れ幅が0.3mm以下の細いひび割れのことを「ヘアークラック」といいます。ヘアークラックは基本的に塗膜にのみひびが入っている状態です。また塗膜のみのひび割れではなく、外壁材そのものにひびが入ってしまうことを「構造クラック」と呼びます。
ヘアークラックの場合外壁材の下にも防水シートがあるためすぐに問題が出てくることはありませんが問題はひび割れ幅0.3mm深さが4mm以上の構造クラックです。
この状態になると外壁の下地まで割れていることがあるため、害虫や雨水が浸入して外壁の下地(木部)を腐食させてしまう恐れがあります。
そうなるとシロアリや雨漏り、サイディングの反りやはがれ、内部鉄筋の腐食等、建物への様々なリスクが発生しますので大きいクラックを見つけたら自分で直すのではなくすぐに外壁の専門家に相談しましょう。
コーキング(シール)の劣化
危険度:★★★★☆
サイディングには必ずコーキング材と言われる樹脂性のゴムの様な部材が使われます。シーリングやシールなんて呼ばれ方もありますね。
サイディングが熱や乾燥で収縮したり、地震で動いてしまった時もコーキング材が追従して負荷を受け止めてくれます。
またコーキングは建物の目地からの雨水の浸入を防いでくれたりと、建物にとって無くてはならない存在です。
しかしコーキングも塗膜と同じように紫外線や温度の変化等によって劣化していきます。
劣化するとコーキングは硬くなって痩せてしまい、細かい亀裂が発生するようになります。これが劣化のサインです。
コーキングが劣化してしまうとサイディングボードのひび割れや雨水の浸入を引き起こしてしまいます。そうならないうちに劣化のサインが出始めたら専門家に相談し大事になる前に補修をすることが肝心なのです。
塗膜の剥がれ
危険度:★★★★★
塗膜は劣化していくと最初にひびがはいりはじめ、そのままにしておくとぺりぺりとはがれてきてしまいます。
剥がれてしまっている部分は建物が紫外線や雨風からなにも守られていない状態を意味します。
その状態をさらに放置してしまうとその剥がれは広がっていき建物自体がダメージを蓄積してしまい外壁材そのものにひびや割れ、反りやゆがみ等が発生してしまい雨漏りにも繋がっていきます。
そうなってしまわない為に塗膜の剥がれを見つけたら早めに塗替えを行いましょう。
まとめ
外壁の状態は住宅の寿命に大きく影響
木造住宅の寿命は40年と言われることがありますが、これらの劣化のサインを見逃さずに補修や塗替えを定期的に行うことであなたのお家の寿命を延ばすことになり、60年70年でも住み続けられる家にすることができるのです。
気になるサインがあればしっかりとした知識がある専門家に相談しましょう。
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