2025年6月14日
「外壁塗装をしたいけれど、シリコン塗料で本当に十分かな?」
お住まいの塗り替えをご検討中で、このように悩まれる方は多いのではないでしょうか。
結論として、シリコン塗料はコストと性能のバランスが取れた優れた選択肢です。
しかし、2025年現在では、その性能をさらに高めた「ラジカル塗料」も新たな標準となりつつあります。
本記事では、まず定番であるシリコン塗料のメリットを解説し、その上でラジカル塗料など他のグレードと比較しながら、最適な塗料を選ぶための判断基準を提案します。
10年後も「この選択で良かった」と心から思える、後悔のない外壁塗装を実現するために、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムのポイント |
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Contents
シリコン塗料のメリット|選ばれる4つの理由
まず、数ある塗料の中で、シリコン塗料が「定番」と言われ、多くの方に選ばれている理由を解説します。
優れたコストパフォーマンス
シリコン塗料の最大の魅力は、コストと性能のバランスです。
耐久性の面ではウレタン塗料を上回り、価格の面ではフッ素などの高性能塗料よりも安価であるため、両者の中間に位置する標準的なグレードと言えます。
10年程度の耐久性を確保しながら、費用を抑えたいご家庭に最適な選択肢となります。
家全体のメンテナンス周期に最適
耐用年数約10年のシリコン塗料を選ぶことで、同じ周期で寿命を迎えるシーリング交換に合わせた外壁塗装を計画できます。
本来なら工事のたびに必要となる足場の設置が一度で済むため、家全体のメンテナンス費用を無駄なく削減できます。
汚れにくく、美観を維持できる
シリコン塗料は、塗膜が硬く、水になじみやすい性質(親水性)を持つため、表面に付着した汚れを雨水が洗い流す効果が期待できます。
デザインの自由度が高い
「外壁の色にはこだわりたい」「上品な艶感に仕上げたい」といったお客様のご要望を叶えやすい点も、シリコン塗料の大きな魅力です。
各メーカーの主力製品であるため、カラーバリエーションや光沢の有無(つやあり、半つや、つや消しなど)の選択肢が豊富です。
【一覧比較】主要な外壁塗料のグレードと特徴
シリコン塗料が持つ4つの優れた理由をご紹介しました。
では、他の塗料と比較した時、シリコンはどの位置づけになるのでしょうか。
ここでは、主要な塗料の「耐用年数」と「費用」を軸に、その特徴を一覧で比較します。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 単価相場(/㎡) | 特徴 |
ウレタン | 5~10年 | 1,500円~2,000円 | 柔らかく密着性が高い。価格は安いが耐久性はやや劣る。 |
シリコン | 8~12年 | 2,000円~3,500円 | コストと性能のバランスが良い定番塗料。 |
ラジカル | 10~15年 | 3,000円~4,500円 | シリコン以上の耐久性を持ち、コストパフォーマンスに優れた塗料。 |
フッ素 | 15~20年 | 3,800円~4,800円 | 高耐久だが価格も高い。商業ビルや橋梁などで実績多数。 |
無機 | 15~25年 | 4,500円~5,500円 | 極めて耐久性が高く、汚染や色あせに非常に強い。 |
※上記の耐用年数や単価は目安であり、建物の状況や使用するメーカー・製品によって変動します。
参考記事:外壁塗装の耐用年数の目安とは?塗料別の寿命やメンテナンスすべき劣化ポイントも紹介
神山では、プロの診断結果とお客様のご希望をもとに、ご自宅に最適な塗装プランをご提案いたします。
まずはお気軽に無料診断をご利用ください。
シリコンの耐久性を向上させた次世代塗料「ラジカル塗料」
比較表で、シリコンよりワンランク上の性能を持つのが「ラジカル塗料」です。
多くのメリットを持つシリコン塗料ですが、紫外線による経年劣化が課題でした。
ここでは、その課題を技術で克服したラジカル塗料の仕組みと、具体的なメリットを解説します。
高耐久の理由|塗膜劣化を防ぐ「ラジカル制御技術」
従来の塗料は、白色顔料(酸化チタン)が紫外線を浴びることで、塗膜を内側から破壊する劣化因子「ラジカル」を発生させてしまう点が課題でした。
ラジカル制御技術は、このラジカルの発生を「バリア機能」で抑制し、万が一発生しても「捕捉機能」で無力化する二段構えの仕組みです。
この技術を用いることで、塗膜の寿命をこれまで以上に延ばすことが期待できます。
ラジカル塗料のメリット
ラジカル塗料には、以下の3つのメリットがあります。
シリコンを超える高い耐久性
一般的なシリコン塗料の耐用年数が8年~12年であるのに対し、ラジカル塗料は10年~15年と、より長い耐用年数が期待できます。
長期的な美観の維持
劣化原因を根本から抑えるため、色あせやチョーキング(壁を触ると白い粉がつく現象)が起きにくく、長期間にわたり美しい外観を維持します。
汚れを雨で洗い流す「低汚染性」も兼ね備えています。
安心で経済的なメンテナンス計画
耐用年数に余裕があるため、標準的なシーリング(寿命約10年)より先に塗装が劣化する心配がありません。
さらに高耐久シーリングと組み合わせれば、メンテナンス周期そのものを約15年に延ばし、足場代を含めた生涯コストの削減も可能です。
「優先順位」で決める、最適な塗料の選び方
ここまで、シリコンやラジカルといった塗料について解説してきました。
最終的な塗料選びのポイントは、これらの情報をご自身の「価値観」に当てはめてみることです。
以下に、代表的な3つの「優先順位」別に、最適な塗料の選択肢をまとめます。
「初期費用」を最優先する堅実派|シリコン塗料がおすすめ
シリコン塗料がおすすめの方 |
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優れたコストパフォーマンスを持つシリコン塗料は、初期費用を重視する場合に適しています。
耐用年数が約10年のため、他の建材とのメンテナンスサイクルも合わせやすく、合理的で手堅い計画を立てることが可能です。
「費用対効果(コスパ)」を最優先する合理派|ラジカル塗料がおすすめ
ラジカル塗料がおすすめの方 |
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ラジカル塗料は、シリコン塗料を上回る耐用年数が特徴です。
塗り替え回数を減らせるため、高額な足場代を含めた生涯コスト(ライフサイクルコスト)の抑制が期待できます。
「耐用年数」を最優先する長期派|フッ素・無機塗料
フッ素・無機塗料が選択肢になる方 |
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フッ素・無機塗料は、15~25年という極めて高い耐用年数が特徴です。
初期費用よりも、塗り替え回数の削減による長期的な手間と時間の節約を最優先する場合に選ばれます。
足場を組むのが難しい建物では、そのメリットは最大化されます。
以上のタイプ分けを、塗料選びの方針としてご活用いただければ幸いです。
ただし、最終的な塗料選定には、お客様の「優先順位」に加えて、ご自宅の現状を正確に把握する「プロの診断」が欠かせません。
参考:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会|住宅リフォームガイドブック>リフォームではインスペクション(建物状況調査)が重要
神山では、お客様のご要望と建物の状態を総合的に判断し、最適なプランをご提案いたします。
外壁塗装Q&A
最後に、外壁塗装に関してお客様からよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。
塗料によって価格が大きく違うのはなぜですか?
A. 主に、塗料の主成分である「樹脂」の種類と、含まれる機能性の違いによるものです。
一般的に、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素・無機とグレードが上がるにつれて樹脂の耐久性が高くなり、価格も上がります。
どんな塗料でも好きな色が選べますか?
A. ほとんどの塗料で幅広い色選びが可能です。
理想の外観イメージをお持ちでしたら、写真などを参考に、それに合わせた配色をご提案することも可能です。
塗装の際、シーリングも一緒に替えるべきですか?
A. はい、同時に交換することをおすすめします。
シーリングは塗装面より先に劣化することが多く、ひび割れや痩せが雨漏りの原因になり得ます。
塗装工事と同時にシーリングも一新すれば、建物の防水性が高まる上に足場代も一度で済み、効率的かつ経済的です。
外壁塗装にはどのくらいの時間がかかりますか?
A. 外壁塗装の工事期間は、一般的な戸建てで10日〜2週間程度ですが、天候やお住まいの劣化状況によって前後します。
外壁塗装の期間については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:外壁塗装の期間目安は?日数が延びる理由や塗装工程、塗装すべきタイミングも解説
外壁塗装の工程を教えてください。
A. 足場の設置、高圧洗浄、下地処理、養生、塗装(下塗り・中塗り・上塗り)、最終チェック、足場撤去・清掃という工程で進めます。
工事の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:外壁塗装の工程を完全解説!工事の流れや期間の目安・注意点も紹介
まとめ
外壁塗装の塗料選びは、初期費用を抑えるなら「シリコン塗料」、長期的な費用対効果と安心感を重視するなら「ラジカル塗料」が基本的な選択肢となります。
後悔のない外壁塗装を実現するためには、各塗料の特性を正しく把握し、ご自身のメンテナンス計画に基づいた塗料選びをすることが重要です。
神山では、お客様のご要望と建物の状態を総合的に判断し、最適な塗装プランをご提案いたします。
ご相談、お見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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